まずは介護職員初任者研修を取得してから介護士の求人を探した方がいい
現在は、老人ホームといっても特養をはじめ有料老人ホームや病院、デイサービスなどの高齢者施設がある。
他に高齢者施設以外でも多くの施設で介護士が必要となっている。
求人広告には毎週必ずといっていい程、介護士の募集が出ている。
施設は増えているのに介護士が足りないのはここ数年のこと。
また、不景気が続いているせいか、介護職員初任者研修を受ける人が増加しているのも事実。
しかし、学校や養成所で資格を取得したとしても、理想と現実のギャップで辞めてしまう人も多いのだろう。
本当に介護士を目指すのであれば、介護職員初任者研修を取得してから、就職先を探したほうが有利なのは確かなこと。
未経験者より経験者、無資格者より資格所持者が優先されるのは当たり前のこと。
老人ホームは随時人手が足りないためか、未経験でも介護職員初任者研修を取得していれば問題ないという所も多い。
資格を持っていると就職先の選択肢はかなり広がる。それは、未経験でも同じ事。
たかが民間資格だがバカにはできない。
最初は誰でも未経験。
いくら資格を持っていたとしても、経験者にはかなわない。
一つ一つ仕事を覚えて、自分のスタイルを作っていくことが一番大切だと思う。
最初は余裕こそ無いかもしれないが、そのうち教えられた事以外に、他の介護士の動きを盗み見る余裕が出てくる。
職人とは少し違うけど、他の介護士の仕事を見ることによって、良くも悪くも勉強になる。
言われた事だけやってるのは最初の頃だけで十分。
ある程度の技術が身に付いたら、自分で勉強して前向きに介護を行う。
それによって、仕事のやりがいも評価も変わってくる。自分もそうだった。
介護職員初任者研修の資格は介護士のスタートを切るためには必要不可欠だし、介護士の第一歩を踏み出す為のチケットみたいなものだと思ったほうがいい。
介護士が給料を上げるには資格取得か転職しかない
介護士の給料は事のほか低い。
同じ施設で給料を上げるには、夜勤を人より多く入るか、介護福祉士の国家資格の取得、あるいは民間資格である健康運動指導士や介護予防指導士などの研修を受けて資格を取るしか道はなさそうである。
そうすれば、資格によっては手当がつくだろう。
あとは、同じ施設に長く勤務することで、副主任や主任という役職に就けることもあるかもしれない。
それよりも手っ取り早い給料を上げる手段としては、違う介護施設に移るという選択肢もある。
給料の差が大きければ、転職も良いかもしれない。
介護求人サイトから今の給料よりも良い求人を探せばいい。
ベテランであればある程、新しい職場で一から始めるのは勇気がいるだろう。
つまり転職は教えられる立場に耐えられる人ならではの話である。
でもやっぱり介護士として一生やっていくのなら、転職も視野に入れるべきである。
何故なら、男性の場合は結婚したら家族を養っていかなければならないからだ。
実際問題、手取り月20万円以下の施設にはそうそう長くいられないだろう。
共働きでないととてもじゃないが家計はやっていけない状態である。
資格取得を目指すのか?転職をするのか?は時が来れば早急に決めなければならないことだが、資格取得してからの転職とを両方実現すれば良いのではないだろうか。
いずれにせよ、どこの施設に移ったとしても毎月の給料はたかがしれている。
それならば取れる資格を早く、そして確実に取り、より高い手当が付く施設を探したほう無難なような気がする。
今は介護福祉士でも相談員になれる時代になった。
それも一つの選択肢に入れてもいいかもしれない。
施設経営からデスクワークへとワークスタイルは変わってしまうが、不規則なシフト生活はなくなる。
相談員も相談員で、精神的なストレスを抱えることも多いが、介護士に比べると若干給料は高くなるはずだ。
これはあくまでも給料に関してであり、仕事内容云々を言っているわけではない。
ただ、結婚を視野に入れた場合の選択肢として、相談員も考えられるという話である。
介護士として利用者さんと接して、達成感や喜びを求めるか。
もしくは、相談員として利用者さんと接するか。
そこは、大きな分かれ道になるので、よく考えて行動すべきである。
介護業界は資格が物を言う
介護業界で一番のトップは介護福祉士だ。
介護福祉士は国家資格で、以前は専門学校を出れば国家試験免除で取得できた資格でもある。
でも今は専門学校も養成所を出ても国家試験を受けなければならない。
それはきっと介護士による利用者への虐待が多くなってきたためだろう。
介護関連の民間資格として有名なのはホームヘルパー2級がある。
ちなみに現在は介護職員初任者研修となっている。
一時期ホームヘルパーはなくなるとの噂もあったが、違う名称で残したと思われる。
このような資格があることによって何が違うのか?と思われる方も多いが、国家資格の場合には資格手当が付く位だろう。
つまり介護の仕事にそれほどまでの大差はない。
無資格者も慣れてくれば同じ仕事内容を行うことになるが、給料的には他の民間資格者と変わりはない。
ただ、就職先が見つかりやすいという点では資格が物を言うのである。
資格を持っているということは、介護の基礎を身につけているので仕事にも有利に働くだろう。
どの施設に行っても基本的にやることに差はなく、タイムテーブルが若干違うだけなのだ。
ただし、介護士は痰の吸引が出来ない。
これは医療行為に当たるためだ。
でも研修に出て資格を得れば、たん吸引や胃ろうなどの経管栄養を看護師に変わって行うことができる。
看護師のいる昼間は看護師を呼べば済む話である。
しかしながら、夜間の場合は背中をタップして痰を出してもらうか、救急車を手配しなければならない。
痰が詰まりサチュレーションが下がってしまうことが往々にしてあるからだ。
いわば、呼吸が十分に出来ていない状態になる。
介護福祉士であろうと、この処置は研修を受けたものでなければ行えない。
このような事態を除けば、介護技術を身につけている資格所持者と全くの素人では動きが全く違う。
資格所持者は要領も良く、無駄な動きがない。
従って、利用者さんへの負担も少ないということだ。
利用者さんの事を考えれば、資格所持者を職員として雇うべきであり、それなりの救急措置の講習も行うべきなのだろう。
特養で働く新米介護士の仕事内容
未経験の介護士には、入居者さんには一切触れることは出来ない。
といっても、排泄時の見守りや洋服の着脱、口腔ケアなど、比較的自立している人に付くことが多い。
特養はユニット型になってから、ギリギリのスタッフで回している状態だ。
新米介護士としての仕事は雑用も多い。
まず人の名前や持ち物、持病などを把握しないと施設側としても任せておけないからだ。
新米としては、徐々にその把握と仕事の流れ、先輩介護士のお手伝い、洗濯物畳みや清拭づくり、消耗品の補充、フロアやトイレの掃除、ベッドメイク、ごみ捨て等など、覚えることは山程あり、その期間は1ヶ月位はこの仕事の繰り返しである。
新米介護士は2ヶ月を過ぎた頃から、やっと排泄介助や入浴介助、食事介助を教えてもらいながら、やっと始めることができる。
でも信頼関係ができていないと、新米の介護士を入居者さんはとても怖がる。
一生の仕事にしていくのなら、時間を掛けて育ててくれた方が、こちらとしても安心して仕事に打ち込めるというもの。
夜勤は独り立ちしてから、1ヶ月から2ヶ月程で見習いとして入ることになるが、16時間業務は正直最初は厳しい。
慣れるまでは一人ではないし、仕事もやることが多くて焦るし、2時間毎の巡回も介護記録も静かなフロアで普段は一人で行うため見習い中は余裕だけど、いざ一人きりとなれば「何かあったらどうしよう」という不安は拭えないのは仕方のないこと。
新米介護士の仕事は補助的なものが多いが、それを繰り返すことにより介護士としての自覚や心構えが出来てくる。
しかし教えてもらえるのはとても有難いのだが、個々にやり方が微妙に違うので注意されることもある。
慣れている人には、その人のやり方があるのだろう。
良い受け止め方をすればそれらを参考にして、自分にプラスになると思った事を吸収していけば良いのだ。
未経験・無資格で介護士なった体験談
全くの素人が介護士になると、独り立ちするまで先輩が付いていてくれる。
一通りの流れは一週間ほどで何となく掴めてくるが、やはり一連の流れを一人でやるのは想像していた以上に怖さがある。
ベッドメイクやユニット、居室の掃除などはそんなに不器用ではないので何とかクリア出来た。
しかし、入居者さんと接するときはちょっと緊張する。
おむつ交換やトランス、入浴介助の着脱など、怪我をさせないように気をつけなければならない。
回数をこなすしかないと自分にも言い聞かせていたし、そのように言われていた。
「焦らずに正確に安全第一」と頭では解っているが、表面には出さずもやっぱり焦ってしまう。
何かに集中すれば声掛けが出来ない。
声掛けを心がければ他の仕事が上の空になってしまう。
他の介護士のように、余裕をもって会話しながら流れるように仕事が出来ない。
介護とはこんなに難しものなのかと改めて感じる。
それはまだ介護士の仕事に慣れていない余裕の無さにあるのだろう。
二週間、三週間と時間に追われるうちに、集中的におむつ交換やトランスを繰り返しやらせてもらう。
最初よりは若干余裕が出てきたかもしれない。
特におむつ交換の場合は清拭もするし、相手が女性の場合だと躊躇してしまう場面もあったが、今ではそれほどでもない。
入居者さんの7割近くが女性なのだから、そんなことを言っている場合ではない。
トランスもコツがあるのだろうが、力には自信があるほうなので何とか出来るようになってきた。
寝たきりの女性の場合は、お嬢様抱っこを一人ですることもあった。
ただ、車椅子の置く位置でやりやすさが違うという事をなかなか覚えられない。
抱き上げてから「違った、こうだった」と思うこともまだまだ多い。
一ヶ月後にようやく独り立ちの許可が出た。
ユニットを任され、10名の面倒を見なければならない。
迷ったときは自己判断で行わず、他の介護士に相談しながら何とか続けられている。