10年前とくらべて認知症への考え方が変わっている
だいたい10年ほど前だったと思います。TBSで放送されていた「さんまのスーパーからくりテレビ」でご長寿早押しクイズというコーナーがありました。
当時は父も元気で母も健在だったこともあり別々に暮らしていて、私たち夫婦はお腹を抱えてテレビを見ていた記憶があります。
ですが、ご長寿早押しクイズは早々に終了し、今では「さんまのスーパーからくりテレビ」も放送終了しました。
今、こうやって認知症の父の介護をして気付いたのですが、ご長寿早押しクイズで大真面目に応えていたお年寄りは、本当は認知症だったのでは?と、考えてしまうのです。
このことには様々な意見があると思います。
認知症患者を馬鹿にするような番組だ!という何らかのクレームが入って、コーナーが終了し可能性も考えられます。
一方で、認知症という言葉がそこまで広まっておらず、「痴呆」「ボケ」で片付けられていた当時は、今より認知症と診断されていた高齢者は少なかったようにも思います。
それどころか、今の父を見ていると「自分が周囲を笑顔にしている」という表情をすることも多々あります。自分が認知症という激しい物忘れの病気だと自覚しているけど、それがきっかけで家族が笑う時もある。
元気だったころの父は厳格で頑固者でしたが、今は心なしか笑顔も増えた気がします。
認知症はマイナスなイメージが多い病気です。自分の人生だけでなく周囲をも巻き込んで一変してしまう事もある。でも、全てが悪い方向になるわけでもないと、最近感じます。
認知症も介護も、とらえ方を変えてみると、案外プラスの部分もあるかも?なんて。
皆さんも、日々の介護生活に悲観になりすぎず、ちょっと視点を変えてみてはどうでしょうか?そこから見えてくる物があるかもしれませんよ。