介護業界は資格が物を言う
介護業界で一番のトップは介護福祉士だ。
介護福祉士は国家資格で、以前は専門学校を出れば国家試験免除で取得できた資格でもある。
でも今は専門学校も養成所を出ても国家試験を受けなければならない。
それはきっと介護士による利用者への虐待が多くなってきたためだろう。
介護関連の民間資格として有名なのはホームヘルパー2級がある。
ちなみに現在は介護職員初任者研修となっている。
一時期ホームヘルパーはなくなるとの噂もあったが、違う名称で残したと思われる。
このような資格があることによって何が違うのか?と思われる方も多いが、国家資格の場合には資格手当が付く位だろう。
つまり介護の仕事にそれほどまでの大差はない。
無資格者も慣れてくれば同じ仕事内容を行うことになるが、給料的には他の民間資格者と変わりはない。
ただ、就職先が見つかりやすいという点では資格が物を言うのである。
資格を持っているということは、介護の基礎を身につけているので仕事にも有利に働くだろう。
どの施設に行っても基本的にやることに差はなく、タイムテーブルが若干違うだけなのだ。
ただし、介護士は痰の吸引が出来ない。
これは医療行為に当たるためだ。
でも研修に出て資格を得れば、たん吸引や胃ろうなどの経管栄養を看護師に変わって行うことができる。
看護師のいる昼間は看護師を呼べば済む話である。
しかしながら、夜間の場合は背中をタップして痰を出してもらうか、救急車を手配しなければならない。
痰が詰まりサチュレーションが下がってしまうことが往々にしてあるからだ。
いわば、呼吸が十分に出来ていない状態になる。
介護福祉士であろうと、この処置は研修を受けたものでなければ行えない。
このような事態を除けば、介護技術を身につけている資格所持者と全くの素人では動きが全く違う。
資格所持者は要領も良く、無駄な動きがない。
従って、利用者さんへの負担も少ないということだ。
利用者さんの事を考えれば、資格所持者を職員として雇うべきであり、それなりの救急措置の講習も行うべきなのだろう。
特養で働く新米介護士の仕事内容
未経験の介護士には、入居者さんには一切触れることは出来ない。
といっても、排泄時の見守りや洋服の着脱、口腔ケアなど、比較的自立している人に付くことが多い。
特養はユニット型になってから、ギリギリのスタッフで回している状態だ。
新米介護士としての仕事は雑用も多い。
まず人の名前や持ち物、持病などを把握しないと施設側としても任せておけないからだ。
新米としては、徐々にその把握と仕事の流れ、先輩介護士のお手伝い、洗濯物畳みや清拭づくり、消耗品の補充、フロアやトイレの掃除、ベッドメイク、ごみ捨て等など、覚えることは山程あり、その期間は1ヶ月位はこの仕事の繰り返しである。
新米介護士は2ヶ月を過ぎた頃から、やっと排泄介助や入浴介助、食事介助を教えてもらいながら、やっと始めることができる。
でも信頼関係ができていないと、新米の介護士を入居者さんはとても怖がる。
一生の仕事にしていくのなら、時間を掛けて育ててくれた方が、こちらとしても安心して仕事に打ち込めるというもの。
夜勤は独り立ちしてから、1ヶ月から2ヶ月程で見習いとして入ることになるが、16時間業務は正直最初は厳しい。
慣れるまでは一人ではないし、仕事もやることが多くて焦るし、2時間毎の巡回も介護記録も静かなフロアで普段は一人で行うため見習い中は余裕だけど、いざ一人きりとなれば「何かあったらどうしよう」という不安は拭えないのは仕方のないこと。
新米介護士の仕事は補助的なものが多いが、それを繰り返すことにより介護士としての自覚や心構えが出来てくる。
しかし教えてもらえるのはとても有難いのだが、個々にやり方が微妙に違うので注意されることもある。
慣れている人には、その人のやり方があるのだろう。
良い受け止め方をすればそれらを参考にして、自分にプラスになると思った事を吸収していけば良いのだ。
未経験・無資格で介護士なった体験談
全くの素人が介護士になると、独り立ちするまで先輩が付いていてくれる。
一通りの流れは一週間ほどで何となく掴めてくるが、やはり一連の流れを一人でやるのは想像していた以上に怖さがある。
ベッドメイクやユニット、居室の掃除などはそんなに不器用ではないので何とかクリア出来た。
しかし、入居者さんと接するときはちょっと緊張する。
おむつ交換やトランス、入浴介助の着脱など、怪我をさせないように気をつけなければならない。
回数をこなすしかないと自分にも言い聞かせていたし、そのように言われていた。
「焦らずに正確に安全第一」と頭では解っているが、表面には出さずもやっぱり焦ってしまう。
何かに集中すれば声掛けが出来ない。
声掛けを心がければ他の仕事が上の空になってしまう。
他の介護士のように、余裕をもって会話しながら流れるように仕事が出来ない。
介護とはこんなに難しものなのかと改めて感じる。
それはまだ介護士の仕事に慣れていない余裕の無さにあるのだろう。
二週間、三週間と時間に追われるうちに、集中的におむつ交換やトランスを繰り返しやらせてもらう。
最初よりは若干余裕が出てきたかもしれない。
特におむつ交換の場合は清拭もするし、相手が女性の場合だと躊躇してしまう場面もあったが、今ではそれほどでもない。
入居者さんの7割近くが女性なのだから、そんなことを言っている場合ではない。
トランスもコツがあるのだろうが、力には自信があるほうなので何とか出来るようになってきた。
寝たきりの女性の場合は、お嬢様抱っこを一人ですることもあった。
ただ、車椅子の置く位置でやりやすさが違うという事をなかなか覚えられない。
抱き上げてから「違った、こうだった」と思うこともまだまだ多い。
一ヶ月後にようやく独り立ちの許可が出た。
ユニットを任され、10名の面倒を見なければならない。
迷ったときは自己判断で行わず、他の介護士に相談しながら何とか続けられている。
介護業界へ転職する際に覚悟すべきこと
以前から福祉系の仕事には興味がありながらも、専門学校も出ていなければ、講習も受けたことがない。
ましてやホームヘルパー2級さえもっていない。
周りに福祉関係に勤めている人もいなかったので、流されるようにトラックの運転手になってしまったが、仕事で走るコースの途中で毎回養護学校の送迎バスと出くわす。
乗車している様子を見ていると、福祉に転職しようかという気持ちになっていった。
本当は養護学校の教諭になりたかった。
でも大学に行かなければいけない。
この歳で今更大学にもいけるはず、求人広告を見ても福祉施設の募集はあるもののよくわからない。
そこで、福祉にも人材センターがある事を知り、そこで仕事の相談と斡旋をしてもらった。
何の資格も持たない私が働ける施設などあるのかと心配していたが、資格支援制度がある施設で介護職員の募集があった。
それで介護業界への転職を決めた。
一般企業に比べて介護業界は、不規則だし、給料も安いし、今までの生活スタイルがガラリと変わってしまう。
もし家族に何かあっても、シフト制なので遅刻早退も難しい。
ましてや夜勤は絶対に休めない。
あと、相手にするのが高齢者だけあって施設内での突発的な事故や持病の急変などの場合、看護師がいる時間帯であれば問題はないが、夜勤帯となると自己判断で動かなければいけない。
最低でも緊急処置の仕方だけは覚えておかなければならない。
あとは職員同士の人間関係が大切だということ。
一人で対処できない時はチームワークが一番必要な職場だからだ。
介護は女性職員が多く、男の私が色んな意味で問題に巻き込まれることは少ないとは思うが、やはり見て見ぬ振りが出来ないような事態が出てくるかもしれない。
ともかく何かと時間に追われる仕事なので、円滑に仕事をしていく為には「報・連・相」が必要不可欠だと思う。
一般企業から来た私から見れば、何もかもが難しいような気がしたのだが、何となく雰囲気に慣れてしまうものである。
GWの予定も父次第
はじめて、はてなのお題でブログを書きます。お題は「GWの予定」。
GWか…父が認知症になってからGWらしきGWは過ごせてません。もちろんSWもお盆も年末年始も。
ショートステイに預けようかとも考えましたが、考える事は皆同じ。どこも混雑するらしいですね。
かく言う私の職場である有料老人ホームも、連休ほど忙しいです。
社員はみんな休みたがりますので、シフトは争奪戦。早い者勝ちというより、年功序列ですよね。まだまだ下っ端の私は余ったな中日しか休めそうにありません。
でもいいんです。そもそも、父の介護で家から離れられそうもないので。唯一の救いは、夫や兄夫婦が休みで、父の介護を手伝ってくれるという事。さすがに、私を置いて旅行なんていけないんですよね。私が言うのもおかしな話ですが、申し訳ない。
在宅介護をしてる人にとってGWは無関係なんですね。世間が浮かれてる中、平常運転の日々を送るのは精神的にキツイです。
せめて、家族みんなで美味しい料理でも食べようかしら(^_^;)